仁愛女子高等学校 学校案内2022
54/56

仁愛の校章は、六片の松葉で仁愛を包んでいる。松葉は日本の古来から人間の節操の表象であり、また「人」すなわち共存協立の人間関係の表象でもある。六片を以ってするのは仏教の六和敬(身・口・意・戒・見・利において相和敬する生き方)あるいは六方札(東西南北上下、すなわち宇宙万物の広大な支えの中に生きる生命感)によっている。学園名の「仁愛」は仏教教典の「仁愛兼済」という言葉に依っている。「仁」は限りなく支え合う人間関係、「愛」は、人間だけではなく、すべての生命の深甚な相互依存、共生の関係に目覚める敬愛の心を意味している。心の花を、咲かせるために。現在、若い世代による犯罪が急増し、青少年の心の教育が問われています。その背景には、家庭や学校も含む社会全体における温かい人間関係が崩れ、いのちの大切さが見失われていることが深く関係しています。そんな時代の中で、私は我が校名の由来となる『仁愛兼済』の心がますます大切になってきていることを強く感じています。『仁愛兼済』とは『仁と愛を兼ねて済う』という意味で、『仁』は「二人」という文字が示すように人間はひとりでは生きていけないという支え合う人間関係を、『愛』は人間だけにとどまらずすべての生命に向けられた敬愛の心を表し、あわせて「相手を思いやる心」を意図するものです。この『仁愛兼済』の精神は女子教育だけではなく、すべての教育の基本原理だと言えるでしょう。私たちは生徒たちが学校生活を通してこの『仁愛』の精神に触れることで、これからの人生をより良く生きる心の力を身につけてほしいと考えています。それは「夢」や「希望」を持つということ。このような思いを抱くことができた生徒たちは、将来に向けて自分が何をすべきか己の進むべき道を早い時期に見つけることができるでしょう。ただし「夢」や「希望」は、自分の好き勝手にするということではありません。だからこそ私たちは生徒たちに『仁愛』の種を蒔き続けることで、いつか彼女たちの心に本当の「希望」や「夢」が芽生え育っていくことを念じているのです。「この学園を命の花園にしていきたい」…歴代校長の想いを受け継ぎ、仁愛女子高等学校は一人ひとりの個性が未来に花咲くお手伝いをしています。禿 了修禿 了教仁愛女子高等学校 校長初代校長第二代校長禿 すみとくりょうしゅうとくりょうきょうとく53

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る